2020年8月10日月曜日

8月10日の日記:最果タヒさんの詩集

 最果タヒさんの詩集を、新しい方からさかのぼって読んでいる。『天国と、とてつもない暇』(小学館、2018)→『愛の縫い目はここ』(リトルモア、2017)→『夜空はいつでも最高密度の青色だ』(リトルモア、2016)と来て、今は『死んでしまう系のぼくらに』(リトルモア、2014)を読んでいるところ。私がいちばん最初に読んだ最果タヒさんの本がこの詩集であったこともあってか、いちばんしっくりくる。

最果タヒさんの言葉は、はっきりいって、すごい。よどみなく流れるとても日常的な語彙が、こんなに確かな詩になっているということに惚れ惚れとする。数年前宇都宮の書店で『死んでしまう系のぼくらに』と出会ったとき、これだ!と思った。何がこれだ!なのかわからないけど、とにかくそう思った。たぶん、これからの日本語表現のあるべき形、理想形、というものが、ここに示されている、というような感じかと思う。で、ともかくそのこれだ!という興奮を抱えたままその本を買って帰って、家に帰って、読んで、それから時をおいて何度も読み続けているけど、いまだにそう(これだ!と)思い続けている。当時、その興奮のままに、最果タヒを称賛したところ、必ずや共感してくれるだろうと思っていたひとに、まったく共感してもらえたなかったという苦い思い出も残っているのだけど。(そう、それだよ!といってもらえることを私は期待していたのです。)


8月になってからかつてないほどの元気がわいているのを感じる。7月中は太陽がなかったためにずっと建物の中で暗い気持ちで過ごしていたけれど、梅雨が明けて、気持ちのいい晴れが続くと、心まで明るくなってくる。

本当に太陽やなにかに、生かされているんだなあと思う。上機嫌でいるのも、自分の力だけではどうにもならない。天候や空気や温度やなにやかやに、精神は揺り動かされる。環境に左右されずに過ごすことができたらと思うけど、無理だろう。