2023年10月7日土曜日

10月7日の日記

テレビで七尾旅人が歌っているのを観て、それで久々に七尾旅人のアルバムを聴いて、いいなあと思った。
七尾旅人はインターネットで知り合った人に教えてもらって、しばらく狂ったように熱心に聴いていたのだけど、いつのまにかあまり触れなくなっていた。その人と疎遠になったせいもあるかもしれない。

今その人がどこで何をやってるのか、生きているのか死んでいるのかもわからない。
ときどきその人のことを思い出すけれど、今では私も世の中も変わってしまって、その人と再会するようなことがあってもお互いに話せることもない気がする。

思えば今までの人生でずいぶんいろいろな人と疎遠になってきた。だいたいぜんぶ私が悪いような気がする。
私は人間のことを記憶できないたちなので(相貌失認であることと関係があるかもしれないし、あるいは単に薄情なだけかもしれない)、長らく付き合いのない人間については、その存在をぼんやりと記憶していても、名前その他の識別情報をすっかり忘れてしまっていることも多い。
そんな具合に、私の存在も他人からどんどん忘れ去られて行くのかもしれない。
今、私のことを記憶している人間って、誰かいるのだろうか。いるとしたら、何人くらいいるのか。自信がない。
こういうことを思う人生を生きてきたのは、かなりさびしいことなのかもしれない。

七尾旅人を教えてくれた人には、もしどこかで見つけたら、この数年読んで好きになった詩人の詩集についてだけ教えたいけど、よく考えたらそいつは当時私が好きな詩人の話をしたら、そんなのつまらないよみたいな反応をしたので、またそう言われるだけかもと思った。
それとも、それは違う人だったっけ? もうよく覚えてない。まあいいや。暁方ミセイの『ウイルスちゃん』と蜆シモーヌの『なんかでてるとてもでてる』がよかったので、読んでください。あんまり悪く言わないでね。