2018年12月30日日曜日

12月30日の日記:二十四時間の情事、この世界の片隅に

具合が悪くて昨夜は早くに就寝。長く寝たら少し気分が良くなった。睡眠記録アプリによると10時間寝たそうだ。
まだ眠かったので昼寝もした。計12時間弱寝ている。

今日は映画を2本(正確には1本と半分)観た。

一本はアラン・レネ監督の『二十四時間の情事』。数年前に一度観たきりで、もう一度観たいと思っていたのだが、再見でもちゃんと面白かった。
舞台は1950年代の広島と、ヒロインの回想で語られる戦中戦後のフランス。戦争によって(あるいは戦後によって)暴力的に恋人を失ったフランス人女性と、原爆投下に関して痛みを抱えているらしい日本人男性(こちらの過去は語られない)の恋愛を描く作品。原題はHiroshima mon amourなのだけど、なんでこんなエロ映画みたいな邦題になったのかわからない。
ドイツ兵と恋愛していたヒロインが、フランスの解放後に罰として髪を刈られて、というエピソードが以前も今回の視聴でも印象的だった。そういうこと(ドイツ兵と懇意だった女性への暴力)は実際に起きたことらしいと、『新・映像の世紀』を観て知った。
作中で「ヒロシマ」という固有名詞が数限りなく繰り返されるのだけど、日本人の役者(岡田英次)の発音は(当然ながら)ちゃんと「ヒロシマ」で、フランス人の役者の発音はフランス式に「イロシマ」なのが面白い。立場の異なる2人が、同じものを見ているようで結局はズレが生じているということを示すために、あえて一方に寄せずに、双方の発音のズレを残したのかとも想像するけど、考えすぎかも。

もう一本は片渕須直監督の『この世界の片隅に』。半分だけ観た。残りは後日。
この作品はもう抜群に主演の「のん」さんの演技がいい。あの声がアニメーションとあいまって、主人公の造形と世界観に説得力を与えている。
おかしみのあるエピソードが続いてとても楽しい。けれど今日観た時点でもすでに選曲が深まっていて主人公たちの生活が苦しくなっていることや、この先の展開を知っているせいで、重苦しい気持ちにもなってくる。
やはりいい映画だなと思った。

気がついてみるとどちらも広島の原爆にまつわる映画だった。選んだつもりもないのに。