2018年7月2日月曜日

2018年3月から6月までに読んだ面白いSS

前回の記事(この1年で読んだ中で面白かったSS)の続き。
面白かったSS、気に入ったSSのメモ。

前回と同じく、私がその時期に読んだというだけで、古いものも新しいものも混ざっている。その他の条件も同じ。

3月、4月はほとんど読まなかったので、大半は5月後半から6月末にかけて読んだもの。


緒方智絵里「朋さんのパジャマが」白菊ほたる「すごくダサい?」
藤居朋さんのパジャマがダサすぎることを指摘できなくてハラハラする話。
同作者の緒方智絵里・白菊ほたる・藤居朋のメンバーのコメディは定番のシリーズになっているが、普段は緒方・白菊の素っ頓狂な言動に藤居がツッコむパターンであるのに対して、この話ではまともな藤居朋の奇行(?)に奇人2人が戸惑う。過去のシリーズあったればこそのおかしみが出ている。

前編でアイドルデビューした千川ちひろ他の日常もの。いわゆるオールキャラギャグのようなもの(キャラ全員は当然出ませんが)。1レスごとの小ネタ形式。

面倒くさい渋谷凛がプロデューサーに膝枕を要求する話。かわいい。

家が火事で焼けたちひろさんが双葉杏の家に転がり込んでなし崩しに同棲が始まる話。
年下好きのレズビアンと年上好きのレズビアンのベストマッチ。
双葉杏の同性愛者設定はあんきらを始めとして二次創作で定番になっているが、千川ちひろさんとのカップリングは珍しいかも。最高。
ちひろさんが元カノ?に殴られて病院行きになるシーンで終わっている。

無理してスタバでコーヒーに行こうとする京子ちゃんをごらく部が真剣に引き止めたり応援したりする話。

疲れてるPが花言葉重視で選んだネギの花束を島村卯月に贈ろうとする話。
最後の李衣菜たちがPを力づくで仕留めるシーンの勢いに笑った。

中野有香のストーカー(?)が流れで中野有香と組手をすることになる話。
中野有香は、強い。

高槻やよいが双海亜美にちくちく言うSS。口喧嘩?

固くて噛めないアイスバーをぺろぺろ舐めるアイドルを見て喜ぶ悪趣味なP。
登場するアイドルは渋谷凛、城ヶ崎美嘉、財前時子、森久保乃々。

ライブのコールのことを勘違いして「チュッチュワ」と呼んでいる小日向美穂の話。

出落ち。

凛「ちひろさんが脇腹をツンツンしてくる?」
千川ちひろさんが無言で事務所アイドルたちにセクハラを繰り返す話。
やや毒のある軽快な会話が面白い。
はっきり言ってムラムラした。

前川みく「Pなんて大っ嫌いにゃ」
元バンドマンのPが芸能事務所に就職して前川みくのプロデューサーになる話。
Pと前川みくが幼い頃に出会っていて「約束」をしていた、という筋がギャルゲー?ラブコメもの?っぽい。過去を夢で回想する仕掛けとかも。
ややウザいPの口調と、明らかに原作とかけ離れているほどにキャラ過剰な前川みくの喋り方(「なににゃ?」「なのにゃ」)が好き。
かなり良いです。

【モバマス】橘ありす「人生の墓場へようこそ」
未来設定のPとありす。
橘ありすの引退目前にして感傷に浸っているPと、Pと結婚の約束をしていると思いこんで引退後の入籍を思い浮かべて悦に浸っているありすとのすれ違いコメディ。

前川みく「みくがいじられキャラだという風潮」
自分がいじられることに納得のいかない前川みくが、シンデレラプロジェクトメンバーによる「いじり」を検証していく話。
面白い。
本田未央の嘔吐シーンが複数回ある。

池袋晶葉の「普段いやらしいことを考えてない人が浴びると隠語を連発してしまう」光線銃のせいで騒動が起きる。渋谷凛や橘ありすは説明を聞いてから慌てて「ちんこ!」「ピンクローター!」と叫ぶ。
短い。

ゆかゆかのりこ。椎名法子や水本ゆかりが他の人間を「先輩」「お姉様」と呼んでいたことに嫉妬していじける中野有香。

Pと依田芳乃のPドルもの。Pが雨で濡れた依田芳乃を自宅に連れ込む話。
会話がうまくて、ピリッとしたオチが利いている。好き。

エイプリルフールネタ。渋谷凛が本田未央に面倒くさいツンデレをする。

最近気に入っているハーレムものの連続SSのひとつ。森久保ルートらしい。
モテモテのP、同棲中のアイドルと旅行、旅先での美少女との出会い。ハーレムものPドルはこうじゃなくちゃという作品。
このシリーズは作者がトリップをつけていないので続きを探しにくくて、ちゃんと全部読めているのかわからない(Pixivアカウントはあるが、まだ過去作全部が掲載されていない)。

白石紬が喜多見柚と間違われる話。半分だけ似てる。

唯ちゃんが寝ている梓ちゃんの髪をイタズラで固結びにしたところ、ほどけなくなってしまったので泣いたり怒ったり人のせいにしたり責任逃れしようとする話。
唯ちゃんの言動がとにかくひどくて、一瞬で軽音部がむちゃくちゃになるところがいい。かなり嫌な話で救われない。

本田未央の思いつきで、アイドルたちが渋谷凛のことを「お姉ちゃん」と呼ぶ話。

人付き合いが不得手なせいでかつてプロデュースに失敗して干されているPが、扱いにくい人見知りのアイドルと使えないPを会社が同時に厄介払いする口実作りのために、森久保乃々のプロデューサーとしてあてがわれる。
Pは上の方針を逆手に取って、森久保と「サボり同盟」を組むが、森久保自身はPと親しくなるにつれて次第にアイドルに前向きになっていく。Pもまた森久保に愛着を抱き、予定された別れを先延ばしにしようとする。うんぬん。
よくできた綺麗な話。本音を言えば圧倒的ハッピーエンドで終わってほしかった(ハッピーエンド好きマンなので)けれど、このSSはこれで良いのだと思う。

アイドルの荷物検査中に有浦柑奈のカバンからホットケーキミックスが出てきて、ヒッピー=薬物との誤解から騒動になるコメディ。

小日向美穂が化け狸なSSシリーズの1篇。
ある朝起きると小日向美穂のアホ毛が脱走していたことから始まり、アホ毛を捕まえようと周子や芳乃が奔走するドタバタ喜劇。

同じシリーズの、トラプリ回。頭からアンテナが生えたニセPが事務所に現れたことで騒動が巻き起こる。
コメディ要素の強い同シリーズの中でも、指折りの面白おかしい展開だった。

モバマスSSの書き方についてのメタSS。
モバマスSSの作者と個人的なつながりをほぼ持たないのではっきりわからないが、最近その界隈で創作技法を開陳するのが流行っていた(?)っぽい。
こういう創作技法に関する話を読むのは好きだし、技のシェアはいいことだと思う。面白かった。
一点気になったのは、作中で鷺沢文香がオリジナリティ信仰を「「最初に世界を造った神が偉い」旧約聖書の価値観」と説明していること。これはちょっと変な説明じゃないかという気がする。
専門外だけど、多分どちらかといえばオリジナリティを尊ぶ価値観は、芸術の起源を天才の個性や趣味に求める西洋近代のロマン主義に由来するというのが定説ではないか。そもそも「神が偉い」からオリジナリティ信仰が生まれる、という説明が矛盾している。神の創造が一番であるなら、芸術は被造物を模倣してそこに近づけることに力を入れるだろうから(最高点に近づけば近づくほどよくなるという理屈。そして実際に、芸術は長らく神とか自然とか理想とかを模倣するものであったはず)。

トンチキな水本ゆかりや椎名法子たちが暴れる、ゆかゆかのりこ(メロウイエロー)中心のSS。
有香ちゃんを迎えに行きたいがために、わざわざ家に追い返したりするなどの、独特でおかしみのあるやりとりが好き。
ゆかゆかのりこは良い。


今回は前回より少なくなった(はず。数えていない)。
前回も今回もエロSSは省いているが、読んでいないわけではない。むしろ積極的に読んでいる。
面白かったSSをメモして個人的に読み返す助けにするという意味では、エロSSの備忘録もあった方がよいので、次はそちらも載せようかと考慮中。